ヒラリンの心理研究室

人の心理や行動って不思議だと思いませんか。人の心を解き明かします。

人が罪悪感を抱く理由

 

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罪悪感は人間の自然な感情

恐らく何気ない日常の生活の中でちょっとした罪悪感を抱いている人は多いでしょう。いわゆる良心の呵責とか後ろめたい気持ちとかも同義です。ちょっとした選択で葛藤した経験のある人も多いでしょうが、その選択の判断でやはり人は迷ったり逡巡したりする機会が多いわけです。全く罪悪感を抱かない人間というのは、今よく使われている言葉ではサイコパスくらいではないでしょうか?

まず言いたいのは迷うのは間違いではありません!誰だってどうしたらいいか迷うし、それが人生というものです。悟りを開いた聖人君子なら別でしょうが・・・。罪悪感も然りで、それがナチュラルで自然な状態というのをまずは受け入れてください。罪悪感を感じやすい人は、他者への思いやりやいたわりの気持ちがある人なのです。だからこそ自己中心的な思いが脳内にかすめたり、自己本位的な決断をすると申し訳なく思う。これは即ち人間らしい感情であると言えるのです。罪悪感の根源は人の立場に立つことができる共感能力がある個人の可能性を示唆しています。

罪悪感は後悔と違う

後悔とは過去の事に対する悔いや悔恨であり、罪悪感とは意味が違います。罪悪感は過去してしまった事に対すると共に、現在進行形でも感じる感情なのです。

また罪悪感は物事の判断基準を社会的正義や常識に求める事が多く、それに対する個人の欲望をいけない事だと感じているときに起こるのが大体です。後悔は単に過去の自分の行為の選択に対する悔いに留まります。罪悪感の方が全然高次であり深い感情なのです。

罪悪感は自己批判とも違う

単に自己批判とは自己非難であり、自分をいけない奴だという風に責めたてている状態を指します。もちろん皆さんも何かのきっかけで自己批判の嵐に晒された経験がある人が多いでしょう(私もそうです。ちょっとした判断ミスや自分にとって好ましくない結果が起こった時に、自己批判してしまうケースは人間である以上、多々あるという事です。

ただ自分を責めたてる気持ちは、必ずしも良心に対する裏切りという葛藤を経ているという事を含みません。罪悪感を感じる時はその背後に、常識や他人の立場・状況など比較対象たる外部基準があります。それに対する個人の欲望や欲求を優先するという意識を感じたときに起こります。もちろんこういった感情の葛藤が自己批判につながる事がありますから、全面的に違うという事はないですが、自己批判はこういう葛藤以外にも多々感じるケースが多いわけです。

マル秘罪悪感解消法

罪悪感は悪い感情ではない、むしろ人間らしい自然な感情だと分かったそこのあなた!ただ抱いてしまうのは一定の苦痛が伴うと思います。ある程度自分の気持ちを楽にする解消法を伝授しましょう。

  1. 自覚する・・・罪悪感や後ろめたい感情を抱いてしまう時に、そのように認識してください。要は自分の感情を整理する為にそのまま認識する事が重要です。どういう事かというと、自分の中でネガティブな感情が引き起こされた時に、それがどういう理屈に基づいて起こっているのかわからないと対処のしようがないという事です。
  2. 受け入れる・・・先ほどから述べてきましたが、罪悪感を抱いてしまう事は別段悪い事ではなく、人間の自然な作りに基づくものです。むしろ共感性や思いやりの優れた部分があると私は思っています。だから過度に罪悪感を抱いてしまう事は危険視せずに、むしろ受け入れてください。
  3. 決めておく・・・これは最初から自分でルールを決めておくという事です。ルールとは罪悪感を抱くような状況に陥った時に、どのように判断し決定していくかという事です。先ほどから何度か述べましたが、罪悪感は自分の欲求や欲望を、他人の都合や世の中の常識より優先してしまおうと感じるときに起こります。だから自分はどういうタイプか見極め、自分の選択に対し納得する覚悟を持つという事が必要です。決めておけば迷いはなくなる機会が多くなるし、罪悪感は軽減する事でしょう。

人が罪悪感を抱く根本理由

 人間は社会的生き物です。多かれ少なかれ他人や集団の影響を受けます。当たり前ですが我々は自分一人では生きられないのです。自分の考えや価値観も社会の誰かの影響を受けて形成されていったのです。その意味では自分一人オリジナルの考えや価値観などないと言ってよいでしょう。

つまり人は世の中の常識やルールにある程度従わないと、周りの人から非難の目で見られ、場合によっては排斥されてしまいます。人間が社会でより良く生きていくためには自己保存本能を原則として、社会と適当にやりくりして生きていく事が必要なのです。そのため社会のルールや掟にある程度無批判的に従順にならざるを得ません。また他人の都合や事情も考えていかないと、自分の身を危うくするかもしれません。罪悪感は生存戦略として自然に形成されていくのです。